
教授挨拶

東京科学大学人体病理学分野のホームページにようこそ。2020年7月1日より教授を拝命している大橋健一です。
私は1986年に東京科学大学の前身である東京医科歯科大学医学部を卒業し、大学院(第二病理学教室、春日孟教授)に進学、悪性黒色腫について研究しました。大学院修了後、附属病院病理部、都立駒込病院病理科、東京大学人体病理学分野、虎の門病院病理部、横浜市立大学病態病理学講座に勤務し、主に病理部における病理診断業務に携わってきました。医科歯科大学在職中にはカナダ、クイーンズ大学に留学する機会を得ることができ、アミロイドーシスの発症機序について研究することができました。私はこれまで一貫して病理診断業務に携わってきましたが、病理医の成長にとっては疾患の病因、発症機序を考える基礎的研究活動も非常に重要であると考えています。
これまで病理診断に関しては、外科病理学全般に関わってきましたが、消化器癌、特に食道表在癌の診断、腎生検診断に関しては多くの経験を積んできました。研究に関しては食道表在癌の進展、浸潤に関する研究、予後不良肺腺癌の解析、間質性肺炎合併肺癌の解析、アミロイドーシスの発症機序、治療効果の評価法、腎生検診断を基盤とした腎疾患予後規定因子の解析など関する研究を行ってきました。東京科学大学においてもこれまでの研究を発展させていきたいと思いますが、若手病理医の研究活動の支援を特に積極的に行っていきたいと思います。
東京科学大学人体病理学分野では、すぐれた病理診断医の育成とともに病理診断に基づいた研究医の育成を目指しています。また学生教育、初期研修医教育においては病理学に理解のある優れた臨床医の育成にも力を注いでおり、東京科学大学の臨床レベルの向上にも貢献していきたいと思います。
略歴:
1980年3月 愛知県立旭丘高校卒業
1986年3月 東京医科歯科大学医学部医学科卒業
1990年3月 東京医科歯科大学大学院医学研究科修了、学位取得
1990年4月ー1992年3月 虎の門病院病理部医員
1992年4月ー1998年1月 東京医科歯科大学附属病院病理部助教
1996年ー1997年 カナダ・クイーンズ大学病理学教室へ留学
1998年2月ー2000年3月 同講師
2000年4月ー2003年5月 東京都立駒込病院病理科医長
2003年6月―2005年3月 東京大学大学院医学系研究科人体病理学分野准教授
2005年4月―2011年9月 虎の門病院病理部部長
2011年10月―2020年6月 横浜市立大学医学部病態病理学教授
2020年7月― 東京医科歯科大学(東京科学大学)医歯学総合研究科人体病理学分野教授、
2022年4月 ― 附属病院病理部・病理診断科部長
所属学会:
日本病理学会(理事、学術評議員)、日本癌学会、日本臨床細胞学会、日本食道学会、
日本腎臓病学会、日本腎病理協会、日本アミロイドーシス学会